股関節や腰が痛む仙腸関節障害
仙腸関節は脊椎の根元に位置する関節であり、普段は3~5ミリ程度の小さな動きをしています。
仙腸関節障害とは、この「仙腸関節」が障害され、痛みが生じる疾患です。「股関節が痛む」「腰が痛む」と感じられることが多くなります。
仙腸関節障害の原因
腰の捻り、前後の脚の開き、中腰など不安定な姿勢での作業などを原因として偏った負荷が生じ、仙腸関節バランスが崩れ、障害が生じるものと考えられています。
仙腸関節障害の症状
- 片側の腰・臀部の痛み
- 股関節の痛み
- 鼠径部・脚の痛み
- 長く椅子に座れない
- 仰向けに寝るが辛い
- ぎっくり腰のような急性の腰痛
腰や股関節を中心とした下半身に痛みが生じます。腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアと症状が似ているため、その鑑別も重要になります。
仙腸関節障害の検査と診断
問診、レントゲン検査、MRI検査などを行い、診断します。
画像検査は、腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアといった腰部疾患を除外するために行います。
仙腸関節障害の治療
安静・薬物療法
コルセット、骨盤ベルトなどを使用して、仙腸関節を固定します。
薬物療法では、抗炎症薬の内服、また必要に応じてブロック注射を行います。
リハビリテーション
腰椎の可動域の低下、股関節まわりの筋肉の拘縮などが見られる場合には、医師と理学療法士が連携してリハビリテーションを実施します。
エコーガイド下筋膜リリース(ハイドロリリース)
超音波検査で仙腸関節を関節しながら、薬液を注射して癒着した筋膜を剥がす治療です。
当院では、保険診療の範囲内でエコーガイド下筋膜リリースを行います。特に仙腸関節障害に長くお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。